新鮮な切り花をより長く楽しむためには、購入後やプレゼントとして受け取った花を花瓶に飾る前に、「水揚げ」という準備が必要です。
このシンプルなステップにより、花の鮮度を保ち、長期間楽しむことが可能になります。
ここでは、切り花を新鮮に保つ基本的な水揚げ方法をご紹介します。
特別な道具は必要なく、すぐに試せる方法なので、ぜひ実践してみてください。
切り花の水揚げ:6つの方法
水揚げは、切り花の寿命を延ばすために非常に大切です。
通常、植物は根から水を吸い上げるため、根のない切り花は自然と吸水力が弱まります。
また、茎の切り口から細菌が侵入すると、それがさらに吸水力を弱める原因にもなります。
そこで、水揚げを行って、切り花が効率的に水を吸い上げられる方法をご紹介します。
1.水切り:最も簡単な方法
水揚げの中でも特に一般的な方法が「水切り」です。
次の3つのステップで行います。
- 清潔なバケツに水を満たします。
- 清潔で切れ味の良いハサミを用意します。
- 茎を水に浸した状態で、水中で茎を斜めに2~3cm切ります。
これらの手順により、花瓶に生ける前に細菌の繁殖を防ぎ、水の吸収を促進します。
使用前には花瓶を洗い、できればエタノールで消毒するとさらに良いでしょう。
また、茎に空気が入らないように水中で斜めにカットすることで、水の吸収面が広がり、水をより効率的に吸い上げます。
以上のプロセスによって、切り花を花瓶に美しく飾るための準備が整います。
水切りは、水替え時に
水切りを行うと花の持ちが良くなるため、水を替える際や2~3日ごとに実施することがおすすめです。
毎回水切りをするのは少々手間ですが、茎の先端が傷んできたり色が変わった時には水切りをします。
少しでも傷んだと感じたら、その部分から1~2cm上を水中で斜めにカットすると良いでしょう。
また、茎にぬめりがある場合は、そのぬめりもしっかり洗い流すことが効果的です。
水切りを初めて行う際には、花瓶の大きさに合わせて好きな長さで茎を切って問題ありません。
長い茎を持つカーネーションやすみ草も、瓶に合わせて適切な長さに調整できます。
また、管理が楽になるように、少し長めに切っておくと後の水切りもスムースに行えます。
2.深水法:ぐったりした花に
花が元気を失って通常の水切りだけでは回復しない場合は、深水法が効果的です。
この方法では、花や茎を深い水に浸すことで水の吸い上げを促進します。
【深水法の手順】
- 花の茎をまっすぐに整え、新聞紙で固定します。
- 水切りを行った後、バケツにたっぷりの水を張り、花を浸します。茎の2/3以上が水に浸かることが理想です。
この方法により、花は元気を取り戻します。
特に弱っている花は、半日から1日水に浸すことで改善し、比較的元気な花でも1~3時間で生き生きとするでしょう。
3.湯上げ:吸い上げが難しい花に
特にキク科の花や水の吸い上げが難しい花には、湯上げ法が有効です。
この方法で茎内の空気を抜き、水の吸収を促進します。
【湯上げの手順】
- 花の茎をまっすぐにして新聞紙で包みます。
- 茎を斜めに切り、すぐに熱湯に20秒間浸します。
- 冷水に浸し、2~3時間そのままにします。
湯上げ法により、花はより多くの水を吸い上げ、元気を取り戻します。
花屋でも広く採用されているこの方法は、水の吸い上げが難しい花に特に効果があります。
4.焼き切り:茎が硬い花に
切り花の茎の根元を焼くことで水吸い上げを助ける方法があります。
【焼き切りの手順】
- 花を新聞紙で湿らせて包み、茎の根元は露出させます。
- 茎の根元を1cmほど切り取ります。
- 根元を炭化するまで焼きます。
- 焼き終わったらすぐに水に浸します。
この方法は火を使用するため、火災には注意が必要です。
一般的には、安全で効果的な湯上げ法をおすすめしますが、シャクヤクやバラのように硬い茎を持つ花には焼き切りが適しています。
5.十文字に切り割り:枝物の花に
桜やツツジなどの枝物にも、水揚げが大切です。
枝の根本を切り割ることで水の吸収面を増やし、水揚げを助けます。
【枝物の水揚げ】
- 枝の根元にハサミでタテに十文字に切れ目を入れる。
- 切れ目を少し広げる。
- 水に浸しておく。
6.手で折る:茎が折れやすい花に
ハサミで切るのではなく、手でサッと折ることで水揚げを助ける花もあります。
リンドウやキク、トルコキキョウのように茎がきれいに折れやすい花にこの方法が適しています。
折った後は水に浸してください。
ただし、すべての植物に適した方法ではないため、実施前には確認が重要です。
花の延命剤の使用
切り花をより長持ちさせたい場合は、延命剤(栄養剤)の使用がおすすめです。
私も延命剤の使用を始めてから、花を飾ることがずっと楽しくなりました。
延命剤は花を長持ちさせるだけでなく、水の腐敗を防ぐため、水替えを忘れがちな方にも便利です。
まとめ
切り花を長持ちさせる基本的な方法は「水切り」です。
元気のない花には「深水法」や「湯上げ」を試すのも良いでしょう。
これらの方法を適切に行うことで、花の鮮度を保ち、美しく飾ることが可能です。
また、日常的に花を飾る方は、延命剤を使用することでさらにケアが楽になります。