「だるま」は昔から幸運を呼ぶ象徴とされています。
政治家が選挙に当選した後にだるまに目を描くシーンはよく目にしますが、これにはどんな意味があるのでしょうか?
赤いだるまが最も一般的ですが、他の色のだるまも存在します。
この記事では、次の点についてご紹介します。
- だるまの起源は?
- なぜ、だるまに目を入れる?
- だるまを処分する方法は?
- 色の違いによる願い事とは?
だるまの起源
ここでは、身近な縁起物として願いを託す、だるまの起源についてご紹介します。
だるまの由来は達磨大師
「だるま」は「達磨」とも表記され、伝統的に「張り子」の技法で作られています。
特に、群馬県の高崎市で作られている「高崎だるま」が有名で、毎年1月には「だるま市」が開催されています。
そのデザインは、禅宗の開祖である達磨大師に基づいています。
達磨大師はインドの生まれで、中国に禅宗を広めたことで知られています。
彼は9年間の座禅修行の末、その厳しい修行により四肢が壊死したと言われています。
この伝説にちなんで、だるまは四肢のない姿で表現されることが一般的です。
だるまの精神とご利益
だるまは江戸時代から縁起物として親しまれており、そのデザインは「起き上がり小法師」に触発されています。
起き上がり小法師は底に重りが入っていて、倒れても再び立ち上がるおもちゃです。
この性質は「何度倒れても立ち上がる」という精神、すなわち「七転び八起き」の精神を象徴しています。
そのため、だるまも同じく何度でも立ち上がるとされ、縁起の良いアイテムとなっています。
また、だるまの赤色は達磨大師が着用していた衣服の色に由来し、古くから疫病を防ぐとされているため、だるまにも病気除けのご利益があるとされています。
だるまに目を入れる
ここでは、だるまに目を入れるようになった背景や目の入れ方についてご紹介します。
だるまに目を入れた背景
江戸時代には、目の病を防ぐために目の描かれていないだるまが売られるようになりました。
だるまを買った人は自分で両目を描き入れ、これを病気除けや厄払いに利用していました。
現代では、最初に一つの目を入れて願い事をし、その願いが叶えばもう一つの目を入れるという方法が一般的です。
この慣習は昭和に選挙の成功を願って一方の目だけを描き、勝利後にもう一方を描くことから広まったものです。
ただし、病気除けや家内安全を願う場合は、最初から両目を入れることが推奨されます。
だるまの目の入れ方
だるまに願いを託する際は、通常左目から始めます。
墨と筆を用いるのが一般的ですが、黒の油性ペンでもかまいません。
願いが叶ったら、感謝を込めて右目を描き加えます。
願いが叶わなかった場合でも、右目を入れるのが良いとされています。
だるまの処分方法
だるまは一般的に、願い事を達成する期間を1年間とします。
●願いが叶った場合
- 古いだるまを供養をして、次に新しいものを選びます。このとき、一回り大きいもの、または同じサイズのものを選ます。
- 古いだるまは、縁起物として続けて飾ります。
- 新しいだるまを購入して新たな願いを込めます。
●願いが叶わなかった場合
- 目を入れた後に供養を行い、改めて新しいだるまに願い事をします。
●だるまの処分方法
不要になっただるまは、お寺で供養するのが一般的です。
お寺や神社で行われる「どんど焼き」での受け入れも可能です。
だるま市での供養の機会もあるため、購入時に利用を検討するとよいでしょう。
処分する際は、汚れを落とし、塩で清め、感謝の気持ちを込めて白い布や紙に包んでから行います。
供養が困難な場合は、自治体のルールに従い適切に処分します。
だるまの色が表す意味と願い事
だるまには、赤や白のほかにも金色や黒色などのものがあり、それぞれの色に意味と色に応じた願い事があるとされています。
それぞれの願いに合った色のだるまを選びましょう。
- 赤色のだるま: 一般的に病気や災難から守るために用いられます。
- 白色のだるま: 「純潔」を象徴し、結婚式や良縁を願う際に使われます。また白色は「染められる準備が整っている」色とされるため、受験成功を願う際にも選ばれることがあります。
- 金色のだるま: 金運アップを願う際に選ばれることが多いです。
- 黒色のだるま: 商売繁盛や財政的な安定を願う際に選ばれます。
- 青色のだるま: 心の平穏や学業の成功を願う際に選ばれることがあります。
- 紫色のだるま: 高貴な色とされ、品位の向上や長寿を願う際に好まれます。
だるまは願いを託す縁起物
だるまはさまざまなサイズがあり、どのような空間にもマッチする装飾品としても人気があります。
だるまには、色々な色があり、願いに応じて選べるのも大きな魅力です。
また、元々は両目を入れて病気除けの目的で使用されていました。
その形は達磨大師の厳しい修行を象徴しており、片目から願いを始め、願いが叶ったらもう片方の目を入れるという伝統的な習慣があります。
だるまには身近な縁起物として、様々な願いを形にしてくれるありがたいな役割があるのです。