厄除けと厄払い、厄落としは同じような表現ですが、具体的にどんな違いがあるのでしょうか?
また、これらを同時に行うことは可能なのでしょうか?
この記事では、厄除けと厄払い、厄落としの意味や違い、これらを行う時期、厄年などについて解説します。
厄除けと厄払い、厄落としの違い
厄除けと厄払いの違いを簡単にいうと、厄除けは予防的な意味合いで行い、厄払いは既存の問題を解決するために行ないます。
また、厄落としは、自ら災厄を作ることで、それ以降の悪いことの発生を防ぐために行ないます。
厄落としと厄除けは、予防的な行いとしては同じですが、大きく違うことは、厄落としは自分で災いを起こすことです。
「厄除け」はお寺で
厄除けは主にお寺で行われる、不幸や災害を遠ざけるための祈りの儀式です。
また厄除けは、仏教の教えに基づき、特に密教系のお寺で行われる護摩祈祷などの形式で実施されます。
これは精神性を高め、煩悩を消し去ることを目的としています。
正式には、参加者は火のそばで祈りを捧げ、精神的な浄化を経験します。
厄除けは、一般に厄年に行ないますが、身の回りに不幸や災いが続いている場合などにも厄除けを行います。
「厄払い」は神社で
厄払いは、神道の教えに沿って神社で行われる祈願祈祷で、非常に厳粛で神聖な儀式です。
厄払いは特に不運な年に行われ、すでに起こった不幸や災害を取り除くことを目的としています。
たとえば、新車を購入した際に安全祈願のために厄払いをしてもらうことがあります。
また厄除けと同様に、厄年や良くないことが続いている場合にも厄払いを行います。
「厄落とし」は自分で
厄除けや厄払いとは別に、個人で行う「厄落とし」という習慣もあります。
これは、自分の持ち物や悪い習慣を意図的に捨てることで新たな不幸を避ける行動です。
たとえば、自分が大切にしていたアクセサリーを意図して落とすしたりします。
また、家族や知人などに食事をふるまうことで、厄を落とすことができるとされています。
この厄落としは、個人が自分の意思で行うため、タイミングや回数に決まりはありません。
有名な話として、豊臣秀吉の初めての子が生後すぐに亡くなったため、秀頼が生まれた際に秀頼をいったん捨てたとされています。
厄除け、厄払いを行う時期と知っておきたい事
厄除け、厄払いに最適な時期
厄除け・厄払いで運気を高めるための祈願は、一般的に新年の初めの初詣でご祈祷を受けることが多いようです。
また、節分の前に「鬼退治」として厄除け・厄払いを行う人もいますが、一年を通して神社や寺で祈願を受けることが可能です。
大安などの吉日を選んで訪れると良いでしょう。
大規模な社寺での大祈願祭
大規模な神社や寺では、特定の期間に「大祈願祭」を開催して運気向上のための祈祷を集中的に行っています。
詳細は施設のウェブサイトを確認するか、地元の広報誌を参照するか、直接施設を訪れることで情報を得られます。
厄除けと厄払いの併用
お寺での厄除けと神社での厄払い、そのどちらもしていただくことは構いません。
実際に、不幸を取り除く運気払いの後に、運気向上を行うことで、さらに良い運を引き寄せることが可能です。
仏教と神道の併用に対する抵抗がある場合もありますが、特に問題はありません。
自分が安心できる方法で祈願を行うことが重要です。
厄年の年齢
男女で厄年の年齢は異なり、男性の本厄は25歳、42歳、61歳、女性の本厄は19歳、33歳、37歳、61歳とされています。
これらの年の前後も前厄、後厄として注意が必要です。
厄除け、厄払いに使用する「のし袋」
●蝶結び(花結び)
関東では、祈祷時ののし袋には、紅白の「蝶結び(花結び)」の水引を使用します。
蝶結び(花結び)は、結び目を何度も結び直せることから、何度も繰り返したいという願いが込められています。
祈願には、黒白の不祝儀袋は避け、祝儀袋を使用するのが望ましいです。
●鮑(あわび)結び、淡路(あわじ)結び
関西では、蝶結び(花結び)のかわりに、「鮑(あわび)結び、淡路(あわじ)結び」が使われます。
この結び方は、蝶結び(花結び)と同じく、何度も繰り返したいお祝いに使用されます。
●結び切り
「結び切り」の祝儀袋は、結婚や弔事など再び起こらないようにとの願いから選ばれます。
関東では、鮑結び(淡路結び)は結び切りに含まれます。
結び切りには紅白と白黒がありますが、結び切りは神社や寺に対して失礼にあたる可能性があるため注意が必要です。
厄除け、厄払いの贈り物
昔から、厄年を迎える方に厄除けの品を贈るとよいとされています。
厄除けや厄払いを行い、運気を上昇させるための贈り物は、次のような要素を含む物を選ぶと良いでしょう。
- 長いもの
- 七色に輝くの
- うろこ模様のもの
男性への贈り物としてはベルトやネクタイ、長財布、名刺入れなどが適しています。
女性への贈り物としては、ベルトやスカーフ、マフラー、ネックレス、財布などがおすすめです。
まとめ
ここまで厄除け、厄払い、厄落としについてご紹介しました。
良い運気を継続し、良い運を引き寄せるために行う祈願はいつでも行うことができますし、安心感を得られるなら、どのような方法でも問題ありません。
厄について気にしすぎることはよくありませんが、ご自分を大切にするという意味で、厄年などにはお祓いを受けるのもよいのではないでしょうか。